グランドピアノのメーカー一覧8選|音色と予算で最短比較できる!

木目調の電子ピアノを演奏する手元のクローズアップ
基礎知識

グランドピアノを探し始めると、まず悩むのが「どのメーカーから見ればいいのか」という順番です。

メーカーごとに音の方向性や設計思想が違うため、先に一覧で特徴をつかむだけで試弾の精度が上がります。

一方で、価格や評判だけで候補を決めると、タッチや設置環境との相性で後悔しやすいです。

そこで本記事では、代表的なグランドピアノメーカーを俯瞰しつつ、選び方の基準を実用ベースで整理します。

新品と中古の相場感、購入先の違い、メンテナンスの考え方までつなげて迷いを減らします。

最終的には「自分の部屋と指に合う一台」を見つけるための比較の型が手に入ります。

グランドピアノのメーカー一覧8選

日差しの入る部屋に置かれた黒いグランドピアノと椅子

まずは主要メーカーを同じ粒度で並べ、音の個性と立ち位置を一気に把握します。

ヤマハ

ヤマハはラインナップの幅が広く、家庭用からコンサート用まで比較がしやすいメーカーです。

音の立ち上がりが速く、輪郭が明瞭に感じられる個体が多いので、アンサンブルでも埋もれにくい傾向があります。

同じシリーズでもサイズとグレードで表情が変わるため、用途と設置条件を先に決めると選びやすいです。

まずは代表シリーズを試弾して、自分が求める「明るさ」か「深さ」かを言語化すると比較が進みます。

名称 ヤマハ
本拠地 日本
価格帯の目安 数百万円〜
音色の方向性 明瞭・立ち上がり
特徴 選択肢が多い
代表モデル CFX / CX

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カワイ

カワイは木材加工やアクション設計の蓄積が厚く、弾き心地の一体感を重視する人に候補になりやすいメーカーです。

音の芯が太く、丸みを帯びた響きが心地よいと感じる人が多い一方で、モデルによってキャラクターは変わります。

上位ブランドやシリーズが明確に分かれているので、予算と目標レベルに合わせて段階的に選べます。

迷ったら同じ曲を複数台で弾き比べ、弱音のコントロールと倍音の出方で相性を判断すると整理しやすいです。

名称 カワイ
本拠地 日本
価格帯の目安 数百万円〜
音色の方向性 厚み・丸さ
特徴 タッチの作り込み
代表モデル Shigeru Kawai / GX / GL

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Steinway & Sons

Steinway & Sonsは世界的なコンサートグランドの基準として語られることが多く、表現の幅を最優先したい人にとって象徴的な存在です。

音の密度やダイナミクスのレンジが広いと感じやすく、弱音でも存在感が保たれる個体に出会うことがあります。

一方で、個体差やコンディションの影響も大きいので、同一モデルでも試弾の価値が高いです。

「理想の音」を先に持っている人ほど、試弾で納得しやすいメーカーなので、録音やホール体験の記憶と照合しながら選ぶとブレません。

名称 Steinway & Sons
本拠地 アメリカ
価格帯の目安 高価格帯
音色の方向性 密度・レンジ
特徴 コンサート基準
代表モデル Model D / B

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Bösendorfer

Bösendorferはウィーンの伝統を背景に、独特の色気や歌うような響きを求める人に刺さりやすいメーカーです。

低音域の存在感や響きの広がりに魅力を感じることが多く、長く伸びる余韻が好みなら候補に入ります。

設置する部屋の響きと相互作用しやすい傾向があるため、可能なら似た環境での試弾が理想です。

同じ曲でもペダルの踏み替えで印象が変わりやすいので、ペダリング込みで比較すると強みが見えます。

名称 Bösendorfer
本拠地 オーストリア
価格帯の目安 高価格帯
音色の方向性 余韻・深さ
特徴 ウィーン系の個性
代表モデル 214VC / 280VC

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C. Bechstein

C. Bechsteinはドイツ系の精密さと歌心の両立を求める人に向き、反応の良さを重視する場合に比較対象になりやすいメーカーです。

音の輪郭が整って聴こえる個体があり、和音の中の声部を分けて弾きたい人にメリットが出ます。

ブランドの中にもラインがあるため、シリーズの位置づけを知ってから試弾すると迷いが減ります。

短いフレーズを弱音で繰り返し、芯が残るかどうかで相性を判断すると選びやすいです。

名称 C. Bechstein
本拠地 ドイツ
価格帯の目安 中〜高価格帯
音色の方向性 整然・透明感
特徴 声部が立つ
代表モデル D-282 / C-234

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Fazioli

Fazioliは比較的新しい高級メーカーとして知られ、精度の高い設計と現代的な明晰さを求める人の候補になりやすいです。

タッチの反応や音の粒立ちに魅力を感じることがあり、細かな表現を整然と出したい演奏者に合う場合があります。

モデルの個性が分かりやすいので、サイズ選びと同時に「自分が欲しい響きのスケール」を決めると判断が早いです。

試弾ではppからmfまでの幅を丁寧に試し、音が濁らずに伸びるかどうかに注目すると違いが見えます。

名称 Fazioli
本拠地 イタリア
価格帯の目安 高価格帯
音色の方向性 明晰・粒立ち
特徴 現代的な精度
代表モデル F212 / F278

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Blüthner

Blüthnerはドイツの伝統ブランドとして、柔らかさや甘さを含む音色が好みの人に合うことがあります。

響きがやや包み込むように感じられる個体があり、歌う旋律を前に出したい場合に魅力が出ます。

部屋の響きで印象が変わりやすいので、吸音が多い部屋か反響が多い部屋かを意識して試すと判断が安定します。

同じ楽譜でもレガートとスタッカートを交互に弾き、音の余韻の残り方を比べると特徴がつかめます。

名称 Blüthner
本拠地 ドイツ
価格帯の目安 中〜高価格帯
音色の方向性 柔らかさ・歌心
特徴 余韻が豊か
代表モデル Classic / Supreme

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Steingraeber & Söhne

Steingraeber & Söhneは少量生産の高級メーカーとして、こだわりの強い人が最後に辿り着く候補になりやすいです。

繊細なコントロールに反応する印象を持つ人も多く、ニュアンスを積み上げる演奏に向く場合があります。

情報量が多いぶん先入観も入りやすいので、試弾では自分の基準曲を淡々と当てて判断するのがコツです。

購入後の調整や付き合い方も含めて考えると、満足度が上がりやすいメーカーです。

名称 Steingraeber & Söhne
本拠地 ドイツ
価格帯の目安 高価格帯
音色の方向性 繊細・表現幅
特徴 少量生産
代表モデル Grand Pianos

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音で選ぶなら最初に押さえたい基準

窓際に設置された黒いアップライトピアノと椅子

メーカー名より先に「自分が欲しい音の要素」を分解すると、試弾で迷子になりにくいです。

響きの輪郭

輪郭とは、音の立ち上がりと減衰の形が作る印象のことです。

輪郭がはっきりするとフレーズが前に出やすく、輪郭が丸いと包み込むように聴こえます。

同じメーカーでもシリーズや個体で差があるので、言葉の軸を先に作ることが重要です。

迷ったら、同じ音量で和音を2回弾き、音の境界が見えるかを意識します。

  • 立ち上がりの速さ
  • 音の角の有無
  • 減衰の形
  • 和音の分離感

倍音の広がり

倍音の広がりは、同じ音でも響きが豊かに感じるかを左右します。

広がりが強いとホール的に聴こえ、抑えめだと録音向きにまとまりやすいです。

部屋の響きでも増減するため、吸音材や家具の量も前提条件になります。

試弾では同じ単音をppとmfで弾き、音が薄くならないかを確認します。

低音の支え

低音は「音量」ではなく「支え」として感じられるかがポイントです。

支えがあると右手の旋律が自然に乗り、ペダルを踏んでも音が濁りにくくなります。

サイズが大きいほど有利に見えますが、部屋が鳴らないと逆に扱いづらいこともあります。

左手の分散和音をゆっくり弾き、響きが床に落ち着く感覚があるかを見ます。

タッチの反応

タッチは好みで割れやすく、軽さだけで判断するとミスマッチが起きやすいです。

反応が良いと細かいニュアンスが出しやすい一方で、指が疲れやすいと感じる人もいます。

逆に重めのタッチは芯が作りやすい反面、速いパッセージで負担になることがあります。

同じ曲の同じ小節を繰り返し、指先の戻りと音の出方が一致するかを見ます。

部屋とサイズの相性

グランドピアノは部屋も一緒に鳴るため、設置環境が音色を決めます。

特に床の材質と壁の距離は、低音の暴れや高音の刺さり方に直結します。

サイズ選びは「置けるか」ではなく「鳴らし切れるか」で考えると失敗しにくいです。

購入前に設置位置を想定し、響きが過多にならない条件を作ることが大切です。

置き場所 サイズ目安 注意
6畳 〜160cm前後 反響過多
8畳 〜180cm前後 低音の回り込み
10畳以上 190cm以上も検討 搬入経路

予算の決め方がスムーズになる相場感

白い服を着た人がピアノを演奏している手元のクローズアップ

メーカー一覧を見たあとに相場を押さえると、候補を現実的な範囲に落とし込めます。

新品の価格帯

新品は保証と状態の安心感がある一方で、同価格帯で比較できる候補が多く迷いやすいです。

まずは「サイズ」と「グレード」を固定し、同じ土俵で比較するとブレが減ります。

見積もりでは本体だけでなく、納入調律や付属品の条件も同時に確認します。

予算は上限だけでなく、維持費を含めた年単位の計画で決めると堅実です。

帯域 想定 狙い
エントリー 小型中心 家庭練習
ミドル 中型中心 表現拡張
ハイ 上位モデル 長期所有

中古の価格帯

中古は同じ予算でワンランク上のモデルに届く可能性があり、コストパフォーマンスが魅力です。

ただし個体差が大きいので、価格だけで判断すると調整費用が後から膨らむことがあります。

購入前に整備内容の説明が具体的かどうかを確認し、納得できない点は書面化すると安心です。

最終的には「この個体の音が好きか」を軸にし、年式は補助指標として使うと失敗が減ります。

維持費の見落とし

グランドピアノは購入がゴールではなく、良い状態を保つことで価値が出ます。

調律の頻度や湿度管理の方法で、安定性と音色の変化が大きく変わります。

特に日本の住環境では湿度の影響が出やすく、対策の有無でトラブル率が変わります。

本体予算に対して、年間でどれだけ維持費を確保できるかを先に決めると安心です。

  • 調律費
  • 湿度管理
  • 消耗部品
  • 防音対策

支払いと値引きの考え方

値引きは店舗やタイミングで変動しやすく、数字だけを追うと本質を見失いがちです。

大切なのは納入後のサポート条件が明確で、調整の窓口が機能することです。

支払い方法は金利や手数料だけでなく、納入日と支払い条件の整合も確認します。

同条件で複数店を比較するときは、総額とサポートの内訳をそろえて見ます。

予算を決めるための優先順位

予算は気合で伸ばせますが、生活や住環境が崩れると結果的に弾かなくなります。

先に優先順位を固定すると、メーカーやモデルの迷いが自然に減ります。

迷いが強い場合は「音」「タッチ」「サイズ」のうち、譲れない軸を一つ決めるのが効果的です。

その軸に合うメーカーを複数残し、最後は試弾で決める流れが現実的です。

  • 設置環境
  • 音の方向性
  • タッチの好み
  • 維持費の余力

後悔しない購入先の選び分け

コンサートホールのステージ中央に置かれたグランドピアノ

同じメーカーでも購入先で体験と条件が変わるため、比較の入口として整理しておくと安心です。

総合楽器店

総合楽器店は複数メーカーを横断して試弾でき、比較の土台を作るのに向いています。

店内環境は自宅と違うので、音の印象は相対比較として使うと判断が安定します。

担当者の提案力は店舗差が出やすいため、質問への回答が具体的かどうかで見極めます。

見積もりは納入調律や保証内容を含め、総額の条件をそろえて比較します。

メーカーショールーム

メーカーショールームは同一ブランド内でグレード差を感じやすく、上位モデルの基準音を知るのに役立ちます。

シリーズの狙いを直接聞けるため、カタログでは分からない違いが整理しやすいです。

ただし比較対象が同ブランドに寄るので、最後は他社も混ぜて判断すると偏りを防げます。

訪問前に試弾したいモデル候補を絞ると、短時間でも密度が上がります。

  • 同ブランド横並び
  • 上位基準の把握
  • 設計思想の確認
  • 展示個体の状態

中古専門店

中古専門店は整備品質と在庫の状態が価値になるため、店舗の姿勢が結果を左右します。

どこを交換し、どこを調整し、何を残したのかを説明できる店は信頼しやすいです。

納入後の不具合対応が明文化されているかも、安心感に直結します。

同じ年式でも状態は変わるので、コンディションを優先して選ぶのが基本です。

確認点 見る場所 目安
整備範囲 見積書 項目が具体
保証 契約条件 期間の明記
試弾環境 部屋 音の暴れ確認

試弾の段取り

試弾は長時間よりも、条件をそろえた短時間の反復が精度を上げます。

弾く曲を固定し、同じテンポと同じペダルで当てることで差が見えます。

録音が可能なら後で聴き返し、店内で受けた印象と照合すると冷静になれます。

指が疲れた状態でも気持ちよく鳴るかを確認すると、日常使用の満足度が読めます。

工程 内容 狙い
1 同曲で比較 差の可視化
2 弱音中心 表現幅
3 ペダル確認 濁り耐性
4 録音で照合 先入観排除

搬入と設置の現実

グランドピアノは搬入が最大のボトルネックになりやすく、事前確認が欠かせません。

玄関幅や階段、段差、曲がり角は写真と寸法で共有すると判断が早いです。

設置後の床荷重や水平も音に影響するため、納入時の作業範囲を確認します。

防音や近隣配慮も含め、弾ける環境を先に整えると所有満足度が上がります。

中古でも満足するための見極め

窓際に設置された黒いアップライトピアノと椅子

中古は当たり外れがあるからこそ、判断軸を決めるほど良い個体に出会いやすいです。

年式と状態

年式は目安であり、実際の状態は保管環境と整備履歴で大きく変わります。

外観の美しさよりも、音の伸びやタッチの均一性を優先して評価します。

気になる個体は同じ音量で全音域をなぞり、特定の帯域だけ癖がないかを見ます。

「好きな音かどうか」を最優先し、整備で直らない違和感を避けるのがコツです。

項目 見方 注意
響き 弱音の伸び 濁り
タッチ 均一性 戻りの差
外装 傷の位置 艶の劣化

整備履歴の読み方

整備履歴は専門用語が多いですが、重要なのは「何をしたか」が具体かどうかです。

交換部品の範囲が明確で、作業の目的が説明できる店は信頼につながります。

曖昧な表現が多い場合は、納入後に追加費用が発生しやすいので注意します。

納入調律の回数や期間も、状態の安定に直結するため確認します。

試弾で見るべき違和感

中古の試弾では、派手な音よりも小さな違和感を拾うほうが成果につながります。

特定の鍵盤だけ反応が違う、連打で音色が変わるなどは、後からストレスになりやすいです。

同じ指使いでスケールをゆっくり弾き、音量が勝手に跳ねないかを確認します。

違和感があるときは理由を店に確認し、調整で改善できるかを具体的に聞きます。

  • 特定鍵の重さ
  • 連打のばらつき
  • ペダルのノイズ
  • 音域ごとの癖

リビルトとリストアの考え方

中古には軽整備から大規模修復まで幅があり、言葉だけで判断すると危険です。

大規模修復は魅力的に見えますが、音の好みと合わないと満足しません。

逆に軽整備でも保管が良く、素直に鳴る個体は長く付き合えることがあります。

結局は「この音で弾きたいか」を軸に、整備内容は安心材料として捉えます。

レンタルという現実的な選択肢

いきなり購入が不安なら、レンタルで生活導線にピアノを置く体験を先に作る方法があります。

設置後の響きや近隣への影響が分かるため、購入前の失敗を減らせます。

期間中に試弾の基準曲が固まり、メーカー差の捉え方も具体化します。

最終的に購入する場合も、条件を整理した状態で交渉できるのが利点です。

メーカー一覧から自分の一台へつなげる整理術

室内に置かれた黒いグランドピアノの全体像

最後はメーカー名を覚えるより、自分の好みを言語化して候補を絞ることが近道です。

まず「輪郭」「倍音」「低音の支え」「タッチ」のうち、譲れない軸を一つ決めます。

次にその軸に合いそうなメーカーを2〜3社に絞り、同じ曲で同条件の試弾を重ねます。

そのうえで部屋と予算の現実を当て、サイズとグレードを確定させます。

最後は個体差を前提にして、好きな音が出る一台を選ぶほうが満足度が高いです。

メーカー一覧はゴールではなく、理想の音に出会うための地図として使うのが正解です。